秋の初めのTDS/IKEA(2日目)

[この日記はフィクションです。決して平日に遊びに行ってはおりません]

二日目の朝はゆっくり起きて、ホテルの上層階のラウンジでビュッフェ形式の朝食を採る。これはTDR周辺のホテルの朝食としてはちょっとおそまつな内容だった。少なくとも、入り口の立て看板に書いてあるような、2000円以上の値段をとるものではない気がする。

けれども僕と奥さんは格安プランで泊まっているので何ら文句はない。むしろ奥さんにとっては、久しく泊まっていないホテルだったこともあり、子供の頃のことを思い出して懐かしかったようだ。

それに、ラウンジの窓からTDRの駐車場を見下ろして、遠くに修学旅行のバスが到着しては白と黒の制服の集団を吐き出すのを眺めたり、あるいは駐車場の係員の悪ふざけか、三角コーンがミッキーのかたちに並べられているのを見下ろしたりしながら、特に急ぐでもなくゆっくりと採る朝食というのは、それはそれでなかなかに優雅でよかった。

チェックアウト後、我々にしては珍しく、パークを素通りしてJR舞浜駅へ。今日はIKEAで家の中のこまごまとしたものを買い足す予定である。

快速に揺られているとあっという間に南船橋に着く。いやはや、幕張メッセがあって、IKEAがあってTDRがあるということを考えると、京葉線はすごいなと思う。そのわりに周辺の街に住みたいとは思わないけれど。

IKEAではまず二階のフロアをメモを取りながら一周。歩きつかれてカフェで昼食。遅い昼食を採ったばかりでまだ腹ペコというわけにはいかなかったけど、それでも定番のミートボール(苔桃のソースがとてもよく合う)とチョコケーキを食べる。

平日とあって客層は小さい子供を連れたお母さんばかり。後は一部学生らしきカップルがいるばかりだ。こういうところで30代半ばのおじさんは浮いている。

食事を採って休憩した後、気合を入れて二階を二周目。そのまま一階フロアに下りて、キッチンクロスや収納ボックス、来客用ベッドサイドランプなどこまごまとしたものを中心に買い倒す。

へとへとになるまで買いまわって、宅配用の段ボール箱にちょうど一箱買って1万8000円弱。やっぱりIKEAは安い。

買い物が終了してまだ時間があったので、イクスピアリに戻って周遊することに。あわよくば、奥さんの秋のアウターを買おうという考え。とはいえこの段階で夫婦ともども疲れ切っていたので、まずはスターバックスで休憩する。

座っているうちに気絶しそうになったのを何とか気を取り直し、イクスピアリをぐるっと回ってはみたけれど、よさそうな商品もなく、夕食を採って帰ることにする。

イクスピアリ内のピザ専門店でナポリ風ピザとカルボナーラに舌鼓を打って(ここはなんだか、TDR利用客じゃない周辺住民も来ているみたいで、なるほどなかなかおいしかった)、ほうほうのていでJRに乗り、約2時間かけて家へ。帰りの電車の中では二人とも順番に気絶したのだった。

追記:11月にJR新三郷駅直結の「新三郷ららシティ」にIKEAがオープンするみたいですね。これからはそっちに行くことになるんだろうな。しかも同じ区域内にコストコもあるっていうし、それも会員になるんだろうな。どこまでもアン・フリードバーグのいうとおりになる私たち。

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秋の初めのTDS/IKEA(1日目)

[この日記はフィクションです]

Fl000003 毎日のように関東平野のどこかを集中豪雨が襲い、大雨洪水警報発令を告げるニュース速報がひっきりなしにTV画面に流れていた先週。

今週はその荒天からはうってかわって、関東平野はようやくの秋晴れを迎えている。晴れ渡った空は澄み渡り、空気はほどよく乾いて、気温も30度を下回る日が続き、風が何ともいえず気持ちいい。

この秋の良き日にじっと仕事をしている話はない、ということで、奥さんと連れ立って秋のTDS/IKEA1泊2日ツアーに出かけてきた。

初日はまずTDS。単に連休の直前の平日だっただけでなく、ちょうど夏のイベント(ボンファイヤー・ダンス※)と秋のイベント(ア・ラ・カルト)が始まる前の端境期だったこともあり(それを狙って行ったんだけど)、TDSはかなり空いていた。

※余談ですがボンファイヤー(bonfire)とは英語でかがり火のこと。これを盆踊り(Bon dance)とかけているわけで、英語のセンセイとしてはとても秀逸なネーミングだと思います。

そんな中、奥さんとパーク内をくるくる歩き回り遊び回る。自分たちでは

「あ、ミッキーがいるよ」「写真撮る?」「もう"いい大人"だからいい」

「もうすぐショーが始まるよ、座って待つ?」「もう"いい大人"だからいい」

と分別がある大人のつもりでいたけれど、きっと傍から見たらそのへんの10代20代のお客さんと変わらなかっただろうと思う。いや、むしろチップとデール(彼らはこの日も盛大に水を撒いていました)の方が近いかもしれない。

そもそも、この年になってTDRに行っていることが既に幼いのだ。思い起こせば今の奥さんとはじめてTDLに行ったのが8年前、2000年の9月14日だった。それからちょうど8年。まったく進歩のないことに自分でも呆れてしまう。

Fl000022 それにしても、この日はいい天気だった。「いい天気だった」という、ただそれだけのことなのに、それをうまく伝えられる筆力も何もないのが悔しいのだけれど、だいたい一年のうちに数日だけある、「生きてて良かったなあ」と思える日、自らの過去に思いを巡らせ、過ぎ去った年月を静かに噛みしめる日、「一年中今日みたいな天候だったらいいのになあ」と思える日、それがこの日だった。

Fl020025 あまりの好日に、愛用のトイカメラをぶんぶん振り回し、今までに何度もフレームに収めてきた風景をフィルム三本ぶん撮り倒してしまった。

一日中遊びまわって日が暮れて、夕食はインディ・ジョーンズの隣にある「ユカタン・ベースキャンプ・グリル」で採る。

これが、単にテーマパークの中のレストランでの(ある種間に合わせの)食事、という枠を超えて非常に気持ちよかった。半野外のテーブル席からは群青の夜空に秋の半月が青白く煌々と輝くのが見え、日中に火照った肌を冷ますように夜風が吹き渡り、(リアルな)鈴虫の声を運んでくる。

先日、関西の友人たちでは燻製合宿なるアウトドア・イベントがあったらしいけど、それには関東から参加できなかった都並としてはまさにタナボタ的な僥倖である。

あまりの気持ちよさに、奥さんと「将来こんなふうに軒先で食事採れる家に住みたいね」などと話す。思えば8年前にもウェスタン・ランドで同じようなことを言っていたような気がする。

とことん進歩がないわけだが、それでいいのだ。

と見上げれば、「うんうん、それでいい、それでいいよ」とお月様も言っているような、そんな秋の夜空だった。

Fl020040 この後はハーバーで(なんと今年初めての)花火を見て、インターネットでとった格安のオフィシャル・ホテルに逗留。まさに命の洗濯をした秋の好日であった。

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遅ればせながらデス・プルーフ(レビューのようなもの)

この日はサミットの初日ということで、ライトダウンの趣旨に我が家でも賛同し、部屋の灯りを暗くして過ごした(エアコンとTVは点いていたんだけど)。

灯りを落として何をしていたかというと、映画ファンおよび研究者の間で絶賛されていた(あの蓮實先生も褒めていた)クエンティン・タランティーノの『デス・プルーフ in グラインドハウス』を(実は超恥ずかしながらまだ観ていなかったので)観ていたのだった。

結論から言うと、これ「サイコー」じゃないですか。

下敷きにされている70年代の低予算・B級・エクスプロイテーション映画の雰囲気がこれ以上ないくらい完璧に再現されていて、ぶっとばされました。

まず映像自体、さすがにタランティーノ自身が撮影監督にクレジットされているだけあって、使い込んだテクニカラー・フィルムの質感と当時のグラフィック・センスを再現したそのにおい立つような雰囲気に唸らされるし(といってもなぜか映画の前半だけなんだけど)、音楽のセンスも相変わらず最高だし。

物語もほとんどあってないようなものなんだけど、そのゆるさが逆に映画に開放感を与えていると思う。ストーリーがゆるいので、ガールズたちのおしゃべりも、ストーリーの展開に貢献するのが主目的のものではなく、彼女たちのキャラクターを説明するのに貢献している。これはやはり、物語を語る効率が最優先で、結果的にキャラクターの人間味が感じられない最近のハリウッド映画に対する、タランティーノなりのアンチテーゼのように思えました。

アンチテーゼといえば、CG全盛期のアクション・シークエンスに対抗して、古き良き日のカーアクションをこれでもかってくらい再現しているのもいい。現実に鉄の塊がぶつかりあって変形していく様がこんなに心地いいとは、すっかり忘れていました。

総じて、あまりに70年代を再現しきっているので、たまに現代的な車両とか携帯電話のような現代的機器が画面に登場すると、時空が歪んでさえ見えるくらいである。

とにかくすっかりやられました。野球に喩えると、スピルバーグが抑えの切り札、守護神で「9回でしっかりゲームを決めてくれる」という信頼感を与えてくれるのに対し、タランティーノって「あいつが出てきてゲームに負けたけど、あの乱闘は爽快でおもしろかった。スタジアムに行ってよかった」っていう存在なのではないかと思う。

いやはや、100点。100点満点中の100点です。

それにしても音楽がかっこいいなあ。サントラ買おうかな(これもいまさら)。

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SD-BT113始動

この二日間の動向であるが、読んで字の如しである。先日購入したホームベーカリーSD-BT113がついに我が家にてロールアウトした。以下はその感想である。

たぶんこれを購入した人はみなさんそうだとおもうのだが、まずは普通に食パンを焼いてみることにした。けれどもうちの夫婦はそろってマニアックなので、試しに焼いてみる、といってもひとすじなわではいかない。

まずは参考文献を購入(この本は、胚芽パンやライ麦パンなどのアレンジレシピのみならず、各メーカーの機種比較のほか、小麦粉の種類による焼き上がりの違いまでまとめてあって非常に便利です。ホームベーカリーをこれから購入される方にはオススメです)。

さらに、参考文献中に掲載されていたサイトから、プロも使っている一番人気の小麦粉イーグルをお取り寄せし、満を持して試験を開始したのだった。

あまりにも期待しすぎて、電器店のおじさんが「朝、パンの焼けるにおいで目を覚ますのはしあわせですよ」と言ったのに、焼きあがる前に目が覚めてしまった。しょうがないので、パンの焼けるにおいが漂うまで、SD-BT113の上で鼻をひくひくさせて待っていた。

そのにおいであるが、正確には、焼きの前段階では、ドライイースト独特の紙の焦げるようなにおいが漂ってくる。それから焼きが進むにつれて、みなさんおなじみのあのパン屋のにおいに変わってくる、という感じである。

そのにおいがし始めると30分も経たないうちにパンが焼きあがる。

Ca9sepdz 焼きあがった直後のあつあつのところを取り出したのがこの画像。はじめてなのに完璧といえる焼き上がり。成型はたしかにホームベーカリーのそれだが、焼き色といい膨らみ加減といい、プロのものと遜色ない。

ちなみに準備および作り方であるが、奥さんに「大変なの」と聞くと「ぜんぜん大変じゃない」とのこと。奥さんは女性としては平均的に機械に弱い方なので、彼女がだいじょうぶなら誰でもだいじょうぶなんだろう。

Caop81ob 二つ目の画像は半分に割って食卓に並べたところ(どうでもいいけど僕の携帯の画像フォルダはこの赤いギンガムチェックのテーブルクロスの画像でいっぱいです。アメリカ映画では赤いギンガムチェックのテーブルクロスは幸福な家庭の象徴だそうなので、そういう意味ではいいことなのかもしれませんが)。

焼きたてのあつあつはやわらかすぎて切りにくいのだが、なんとか奥さんに切ってもらった。これにフェルベールさんのコンフィチュール(画像右手前)などつけて食す。

かんじんの味はというと、どこかの上流階級のおぼっちゃんだかおじょうさんを預かってきたような、素朴かつ無垢な味である。余計なものは一切入っていないので、シンプルで上質な味がする。口どけとか歯ざわりは申し分ない。皮はさくさくで、中はしっとり。うまく切ることさえできたら、「なんとかホテルの」と言ってもわかんない人はわかんないのではないか。翌日(今日)、トーストにしてみたが、トーストにするとますますそういうニュアンスの味になった。

いやはや、文明の利器はどこまでも進化し続けるのだなあ。今後このホームベーカリーで、奥さんが様々な実験をしてくれることを願う(うれしくなって早速近所の輸入食品店でライ麦粉も購入してきたので、まずはそれからかな)。

来てるな、未来。

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水屋、真夏日、シークヮーサー

昨日、今日とおかげさまで北関東は真夏日を迎え、早くも研究室にはエアコンが入りました。古いタイプの壁面据付型の空調なので、まあ冷える冷える。おかげで快調に仕事が捗りました。

この二、三日の動向。

背中の筋が違ったみたいでここのところしばらく痛い。気になるのでネットで調べてみたら頚椎の問題かもしれないとのことでちょっと恐ろしくなる。うちは母方の家系が首に難がある家系なので、しばらくして快癒してくれることを願う。

Vfsh0238 研究室にようやく『スターウォーズ 帝国の逆襲』(エピソードV)のフランス語版ポスターを貼る(これはパリの映画専門店でけっこうな値段がしたのを買ってきたもので、当たり前だけどフランス語で「帝国の反撃」と書いてあります)。

(画像の下のほうには付箋がだーっと貼ってありますが、これは僕の癖で研究上で思いついたことを忘れないうちに貼っておくのです。でも後で見てなんだかわからないメモになっていることもしばしばです。)

Vfsh0235 先日かっぱ橋で購入した水屋が届き、家に散逸していたCDコレクションがなんとか収納できた。和室に置いたら、当たり前だけど雰囲気がぴったり合ったので嬉しい。隣に少し写っている背の高い家具は北欧製で、奥さんの化粧品などの入っているキャビネット。これともそんなに違和感はないので、まあ、よい買い物だったのではないですか、というのが夫婦の結論。

Vfsh0239 それから、以前の記事で書いた、「世田谷ベース」で所ジョージさんが沖縄バヤリースのシークワサー入り四季柑と混ぜて飲んでいたジュースの正体が、少し調べたらあっさり分かったので、取り寄せてみた。

「フランスの」と所さん自身も言っていたように記憶しているのだが、フランスではなくて、マーティネリというカリフォルニアの企業のジュースだった。

タイミング良く、義弟くんが沖縄に研修旅行に出かけていて、シークワサージュースの方をゲットしてくれたので、これで、所さんが飲んでいたものと全く同じものが飲める。飲んだら空き瓶もなかなかブロカント的に使いでがありそうで、生活の中の小さな幸せである。

先日奥さんと沖縄料理店に行き、そこでシークワサー・サワーを飲んで以来思っているのだが、この夏はシークワサーだよ。シークワサー・ブームが来るよ。というかマイ・ブーム的にシークワサーを飲んでいこうと思っております。それで夏を乗り切ろう、そう思っとります。

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風姿家電

Vfsh0174 いよいよ本格的な暑さが到来の今日この頃(北関東だけか)、皆様いかがお過ごしでしょうか。

こちらは、あまりの気温の上昇っぷりに居ても立ってもいられず、暦の上ではかなり時期尚早だなとも思いつつ、早くもいくつか対策を講じました。

まずは、自宅での部屋着を早くも短パンにしました(ユニクロ西陣店で去年購入した軍パン)。

次に、朝飲むコーヒーをアイスコーヒーにしました。

そして最後に、研究室に扇風機を入れました。

早すぎるでしょうか。

いや、おっしゃることもわかります。さすがに人一倍汗っかきの僕も、最後の扇風機に関しては今日の今日までどうしようか迷っていて、まだ5月だしなあ、とは思っていました。

それが今日、教務補助のHさんと話していて、話がたまたまそっちの話になった折に、「それじゃあ、LL準備室に余っているのがあるか見てきましょうか」といってもらったので、ついつい踏み切ってしまいました。

これで本格的な夏の準備が早くも整ってしまいました。時期尚早とは思いつつも、これらの装備によって心底安心したのも事実です。

しかし、それはそれとしてこの扇風機がすごかった。昭和57年度購入のものでありました(画像参照)。木目調のいわゆる「家具調」デザイン。時代を感じさせます。それでいて、すべてのボタンが生きていて、どこも悪くなっていないのがさすがです。昔の家電はシンプルかつ頑丈だったんだなあ(ちなみにT芝製です)。

余談ですが僕の研究室には他にも、出身大学で処分されそうになったのを拾ってきたH立製のデスクスタンドがあり(こちらも画像参照)、これで昭和の匂いがぷんぷんのイカす研究室になりました。Vfsh0175

こんなところにスターウォーズのポスターとか貼っていいのかしらん(デスクスタンドの背景の壁に貼る予定です)。

皆さんはどうお思いか存じませんが、大学というところは、ある面ではとっても贅沢なお金の使い方をするところですが、また別のある面ではとっても物持ちのいいところなのです。

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デート・ウィズ・IKEA

2日に辞令をもらって以来、あれよあれよという間に様々な事務的手続きやら教授会やらが立て続き、気がつけばもう4日になってしまった。新年度の常として、様々な作業がすべて五月雨式に訪れ、大学にいる間はとにかくせわしない。

そんな中、3日に時間を見つけて奥さんとIKEAに行ってきた。

行ってきたのはもうじき一周年を迎える船橋店。関東の地理に少しでも明るい人にはお分かりのとおり、北関東の我が家から千葉の船橋までは決して近くもなんともないのだが、故あって夫婦揃って東京にいたので、「ここからなら近いし行ってみるか」ということになったのだ。

寡聞にして、IKEAが日本にもう一年も前からあるということは知らなかった。それが先月、奥さんと僕の買った雑誌がたまたまどちらも北欧のインテリア特集を組んでいて、それでようやく知ったのである。

ちょうど、引越しで色々古びたものなどを廃棄したところで物入りでもある。というわけで、基本がおのぼりさん体質の僕と奥さんは、喜び勇んで京葉線に乗り込んだ。

途中、舞浜の駅でTDRを通過するときには後ろ髪引かれる思いであったが、お互いがまんして南船橋までたどり着く。

Vfsh0134 店内については多くの方が画像つきの記事をブログに掲載されているので詳細を書くのは控えるが、とにかく広い。あまりの広さに、2階のショールーム(画像参照。こんな感じです)を回っているうちに「我々はずっと同じところをぐるぐる堂々巡りしているのではないか」という疑念すら(本気で)湧いてくる。

しかしそれはやはりいくらなんでも錯覚で、いいかげん歩き回った頃に1階への階段が現われる。

ちょうどそこにカフェ&レストランが用意されているというのは、人間心理を巧みに計算した憎い設計だ。ここまでくると足も疲れ、小腹も減っている。そこで時計を見るとほぼ2時間、フロアを歩いていたことになる。ためらいなくレストランに入る(ここもだだっ広い)。

ミートボールが名物だというので、ミートボール10個と、サーモンのマリネ、サーミ族のパン(スカンジナビア半島の北の方にアイスホテルがありますよね。そこに併設されている氷の劇場でやっている演劇のひとつが、このサーミ族の言語で演じられるシェイクスピアだそうです)やらを食す。後で1階に下りたら、すべて冷凍食品で売っているものだったが、以外にうまい。

Vfsh0136 ブラウンのソースは、生クリームを溶いたビーフシチューのような味がして、少しスパイシー。隣のリンゴンベリー(コケモモ)のジャムみたいなのは何につけるのかわからなかったのでミートボールのソースにしたが、これも合う。

画面右手奥にあるのは二種類のパンで、チャパティみたいなのがサーミ族のパン。もうひとつ平たいのは忘れた。平たい方はアニスの香りがして、「スモークサーモンを巻いて食え」とのことだったが、こちらもなかなかエキゾチックでおいしい。

画像はないのだが、奥さんが「これは食べたら止まらない」と言っていたのが「アルマンディーダイム」というケーキ。アーモンドとチョコのケーキだが、容赦なく半端なくスイート。甘い物好きの踏み絵だと思う。僕にはピエール・マルコリーニのパフェと同じくらい無理なものだった。脳内で「マルコリーニ」というフォルダに入れる。

それらを食したら1階の買い物コーナーへ。2階がだだっ広かったので物事の道理として1階もだだっ広い。しかも天井が高く、圧倒される。映画『レイダース』のエンディングで出てきた倉庫を思い出す(右側の画像に写っているのが都並です)。Vfsh0142_1 Vfsh0140_1

こういうところをぐるぐる回って、ベランダのラグ、寝室のランプ、都並の低反発ウレタンまくら、マトリョーシカ、食器水切りなどを次々にカートにほうりこむと、レジで出てきた合計金額は約20000円。

一個一個が安いのでついつい買ってしまい、結果、けっこうな合計額に「うまいことできてんな」と驚くわけだが、よく考えてみればそれでも安い。

目当てのCD収納は電車ではとても持って帰れない大きさだったので、リビング、ダイニングの敷物等も含めて「車でもう一回」とリベンジを誓う。

というか今後、大阪(広い土地が要るし南港辺りかな)、神戸(六甲アイランドかな)、と続いて埼玉にも出店計画があるらしいので、早めにできてほしいなあ。

…ううーん、今日の日記は何の情報的価値もないですね。一周年だもんなあ…。

追記:ちなみにタイトルは、90年代に人気のあったアメリカのロウファイ(というジャンルがあったのです)バンド、ペイヴメントの『ブライトゥン・ザ・コーナーズ』というアルバムに収録されていた曲のタイトルですが、歌詞を見る限りこのイケアとは特に何の関係もなさそうです。

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書斎の構築

Vfsh0127 明日はいよいよ新任地での第一日。というわけで今日は長い春休みの最後の一日であった。明日からの職務に対する緊張と、仕事量に対するストレス(世の中の平均から行くと決して多くないのだが、それでもストレスに感じてしまう怠慢な我が精神よ)から少しナーバスになりつつ、残された時間を有意義に使うべく、まだ片付いていなかった書斎の荷解き&デスク周り構築を行った。

そうなのだ。今度の家では、ありがたいことに書斎を作る余裕があるのである(奥さんと兼用のPC部屋だけど)。おまけに職場でも一部屋研究室をもらえるらしいので、今まで0.5部屋(寝室と兼用だった)しかなかった我が基地が、急に2部屋になる計算になる。一気に4倍である。

さらにありがたいことにはスペースも充分にあるので、前の家ではデスクの足元に置かざるを得なくて何かとじゃまだったプリンタくんと、これもデスクにでかでかと陣取ってじゃまだったPC本体くんを、デスク右手の棚に移し変えた。これで我がデスクは天板上も足元も広々と、本来の広さを取り戻したのである。さらに同じ棚に電話/ファックスも設置。そこはかとなく原稿に追われる作家みたいな趣すらある。

この機能的な書斎構築中に、しかし、問題発生。殊勝にもPC周りのケーブルをタイラップ(結束バンド)で整理しようとデスクの下にもぐりこんだ時に、フローリングの床になにやら線状痕が。すぐにわかったのだが、椅子のキャスターが軽く(一応オーナーに慮って言い添えておくと、それこそ軽くですよ)めり込んで、轍を作っているのだ。都並は決して巨漢ではないのだが、その重量にも耐えられないソフトなフローリングだったのだ。

ここに越してきてまだ一週間経っておらず、しかもPC前に座ったのは数時間のはずなのに、この状態はいかなることか。

慌ててカーペットを買いに行った。さいわい、近くの無印良品に、100×140というぴったりのサイズのカーペットがあったので購入。帰宅するや否や椅子の足元に敷く。この判断は正解であった。サイズはほんとにぴったりだし、おまけに怪我の功名というべきか、見かけの印象と足元の快適さがぐーんとアップした。よし、この書斎でバリバリ働くぞ。奥さんもここなら作業しやすいに違いない。

ということで悦に入って撮ったのが上の画像。壁面にかけられているジャンゴ・フェットのマスクは、何年も前に「アート・オブ・スターウォーズ」展に行ったときのおみやげで、壁かけ時計の上にかぶせてあるので、目元のスモークスクリーン部分から時刻が見えます。でもかなり見づらくて、正確な時刻を知るためには首をあちこちひねって覗き込まないといけないので、たぶん早晩取り外すでしょう。いいんです。非現実的と分かっていても敢えて挑戦してみたかったんです。

業務連絡:まだ段ボール箱は数箱残っております。カメラの死角に入っているだけです。

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こんにちは北関東

記念すべき(?)北関東某市からの初の更新です。

本日ようやくPC周りの環境が整い、ブログの更新が可能となりました。いやはや、長かった。他のところでも書いたけど、当初の予定では27日に京都の家を引き払い、28日にこっちに荷物を入れて、28日中に環境を復旧する予定でした。

ところがどっこい(古臭い言い回しだなあ。みんなこんな言葉もう使わないだろうなあ)、28日中は他の荷物の荷解きで疲労困憊してとてもダメ。何せ段ボールで50箱超(研究室に送る書籍11箱を除く)の荷物があったのです。29日になってようやくPC周りの荷解きをし、各種ケーブルを接続するところまでいきました。

しかしなかなかうまくいかないもので、「さ、ブログを更新しよ」と思って使ってみたら、モデムの不具合だか電話線の不調だかで繋がらない状態が発生。しかたがないので今日30日にNTTさんにきてもらったところ、授業参観の日だけ大人しくしている問題児のようにモデム君が復活。せっかくきてもらったNTTさんにはお帰りいただいて、こうしてめでたく更新している次第です。

住まいも勤務地も一新したので、あわせてブログのテンプレートも更新してみました。前の勉強している男の子の絵も気に入っていたんだけど、なんだか春先には薄暗い気もしたので、すこし明るめにしてみました。ともあれ、まだこの新しい外見に慣れていないので、また戻すかもしれません。

慣れていない、といえば、まだまだ新居も新しいホームタウンも慣れていないんだよなあ。なんだか自分が別の次元の世界に迷い込んでしまったような気分です。

国道一号線に面した高層マンションから、地方ローカル線駅近の低層マンションへ。前のマンションでは、国道一号線が騒音で窓を開けて寝られないくらいの交通量を常時維持していましたが、今度の家では夜は静か過ぎて不安です。

近所にはチェーン系ファミレスとファーストフードは充実しています。しかし京都にあったような個人経営のいかした店舗はぜんぜんありません。コンビニは、目につくところではいっこっきりあります。夜でもバイトくん&バイトさんが3名常駐している人手余り気味のコンビニです。スーパーは聞いたことのない名前のものが一軒あるきりです。

さあ、ここでやっていけるのか。まだまだ不案内な北関東での武者修行がはじまりました。

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さらば京都

ただいま引越し作業中。とてもゆっくり書いている時間はありません。

というわけできちんとした日記は後日(プロジェクトTNT)に回すことにして、取り急ぎ都並は、短くても明日の午前中から明後日の午後までインターネットに接続できない環境におります。御了承ください。

次回からは新居にて、装いも新たに「北関東疾風怒濤篇(仮)」として再開する予定ですのでしばしお待ち下さい。

それにしても、わずか一年間の京都暮らし、最高でした。きっとまた帰ってくるぞ。

引越しに際して、我がパダワンくんからメッセージをいただきましたので、同じ言葉で恐縮ですが、お返ししておきます。

「フォースとともにあらんことを」

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引っ越し始める

竹中直人がモビットのCMに出ているのは「直人(NAOTO)→大人(OTONA)」のアナグラム(並べ替え)になってるからだと最近分かった。

お笑いコンビ、ロザンの菅ちゃんが大阪ガスのCMに出ているのは「がーすー」だからだと最近分かった。

それはさておきこの週末の動き。

金曜日はあれから(カメラマンさんのところに行ってから)夕方奥さんとお父さんお母さんと合流。大津に移動し、またしても琵琶湖ホテルに泊まる。来週、えびてつ氏の結婚式で来る予定なので、二週連続ということになる。

前にも書いたがここはほんとによいホテルだと思う(偉そう)。部屋は広いし、琵琶湖の眺望は抜群だし、大浴場も広くて気持ちいい。全体としてほどよくクラス感があり、ほどよくいなたく垢抜けない。いろんな意味で客にリラックスさせてくれるホテルである。

金曜日は、ここの一階のレストランで会食のあと、家族でラウンジでコーヒーを飲みつつ10時過ぎまで談笑する。久しぶりの家族団らんという感じで気持ちのいい時間を過ごす。結婚して一年、すっかりお父さんお母さんとも打ち解けたなあ、と独り感慨に耽る。

朝はこのホテルの充実したビュッフェをまたもや食べ過ぎてしまう。サラダにかけるドレッシングが、オリーヴ・オイルとバルサミコ(それぞれ別の瓶)が選べるのが良い。

そこからその足で大阪の仕事場へ。夕方まで授業。

夜は帰ってきて、奥さんの手料理。かぼちゃの煮物と、ロール・キャベツと、なすのお味噌汁。

日曜日はいよいよ、引越しの作業を始めた。もう日があるようでないのである。

まず、もっとも混沌としている僕の書斎部分の押入れから着手。昨年度の授業のプリントとか、成績疑義問い合わせに備えるために一定期間保管しておかないといけない過去のテストとか、趣味の本とか書斎の本棚に収まりきらない仕事の本とか、研究会のために集めた資料とかが、半間ぶんの押入れにわんさと詰め込まれている。

なかには引っ越して以来一度もあけていないダンボールもあるわけだが、これを、

①新居の書斎

②研究室の本棚

③廃棄

という三種類に改めて分類する。同時に、結婚前の住居から埃をかぶったまま持ってきてしまったものを掃除機と布巾で掃除する。

この作業を数時間。押入れの下の段が終了した時点で区切りをつける。

そこから奥さんは夕食の準備。頭が下がります。作ってくれたのは、ラム肉のトマト煮込み、春キャベツとベーコンのパスタ。ラム肉はワインをボトル半分ほども使って盛大に煮込まれており、とっても柔らかく出来上がっていた。まさに、骨からするするっとほどける、という状態である。ラム肉特有の臭いも、臭からず、といって皆無でもなく、ほどよく残っていて大変にお上品な味であった。いつもバスティーユでラムを食べるとクスクスが敷いてあるので、ちょっとクスクスが食べたくなる。が、我が家はそんなしゃれたものが常備されている家ではないので、かわりにソースをパンにつけて食べる(パスタも食べたのに、である)。ちょっとした結婚記念日の前祝であった。

思いっきりパスタを食べたのに、今日も夕食にオステリア・ソニドーロに行ってきます(また感想報告しますね>一部の読者様)。

追記:奥さんは夕食のほかにお父さんお母さんに依頼された鰤大根(一食ぶん、今日のお昼用に残しておいてくれました)も作ってくれていました。夕食後もせっせと引越し準備を続け、新たに三箱ダンボールを作っていました。彼女はほんとに働き者です。僕は相対的に(いや絶対的に)怠惰な人間だと反省しきりです。

追記②:ジャミロクワイのアルバムに"Traveling without Moving"というタイトルがあるが、ずっと「動くことなく旅をする」=スピリチュアルな旅、という解釈をしていた(歌詞なんてろくすっぽ見ないからね)。でもひょっとしたらあれは「引越ししないで旅行する」という現実逃避の歌なのかも知れないな。そんなわけはない。

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おでん会議

日曜日の話。

日曜日は、実兄とそのカノジョ、ならびに実弟を招いて我が家でおでんを食べ、ビールをしこたま飲んでへべれけになっていた。正月に続いて、兄弟三人揃ったいきおいでべろべろになるという悪い酒の見本のような夜だった。

おでんといえば、決して高貴な生まれではない我が兄弟の間では、かなりロウブロウかつワイルドな調理方法によって作られる料理である。まずもって誰も正確なレシピなどは覚えていない。唯一理解されている手順は、といえば、

①適当にスーパーで見繕った具材を

②目分量で調整した煮汁でひたすら煮込む

というだけである。

さらにその煮汁にも、だしのもとを使うのは当たり前、そればかりでなくコンソメ(固形)とかチキンブイヨンとか邪道なものもどばどば入れる。

そうすると正直、煮込み前のスタートラインでは煮汁が嗅いだこともないような不思議な匂いになっているのだが、勇気を持ってそのまま何時間か煮込んでいけば、そのうちに自然と具材からだしが出てきて、気がつけばしっかりおでんの味になっている、という食べ物である。

ところが今回のおでんは、だしスト党首(僕)もびっくりの生粋のだしストである奥さんが、昆布と削り節だけでしっかり作った原理主義的おでんであった。しかも奥さんは、だしをとる段階ですでに

①昆布を水で戻す

②沸騰させてかつおだしをとる

③さらに追いがつお

という手順をきちんと踏んでいた。

そんなわけで今回は、出だしのだしの段階からいいにおいがキッチン中に充満するという、言ってみれば全然生まれも育ちも違うお上品なおでんさんであった。

このおでんさんのほか、菜の花のごま和え、水菜とお揚げの煮びたし、ネギの豚ロール(刻みネギを下味をつけて豚肉で巻き、照り焼きにしたもの)がテーブルに並んだ。全て奥さんの手製である。誠に頭が下がる思いである。

これを肴にビールをがんがん飲む。兄弟3人ともビールが大好きである。が、ふだん飲まないのですぐに酔っ払う。結果、酔っ払って他愛もないことでくだを巻く。といういつものパターンの飲みに突入。

…ということで、関係者諸氏には真に申し訳ありませんでした。僕自身は実に楽しくお酒を飲みましたが、もし失礼な言動等ございましたら、酔っ払いのこととて何卒御容赦ください。

追記:コーヒー党の我が家にカフェ・バーンホーフのコーヒー豆を持ってきてくださったカノジョさんもありがとうございました。おいしくいただいております。渋みが少ない飲みやすいコーヒーでとてもおいしいです。

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家探し終了(ディレクターズ・カット)

【先ほどまでの公開版は晩御飯前の時間で慌てて書いたので、ちょっと推敲しました】

木曜の午後から日曜にかけて、三泊四日のスケジュールで北関東に家を探しに行ってきた。三泊四日というとたいそうに思われるかもしれないが、これが実に必要充分な日数であった。最初は金曜日出発を考えていたのだが、木曜にしようと言い出したのは奥さんである。ときどき不思議ないい間違いもする奥さんだが、こういうときは改めて先見の明に感心する。

それほど三泊四日は強行軍のスケジュールであったのだ。木曜の午後から土曜の夜までに内覧した物件は都合12件。あらかじめネットで調べて、自力で外観を観に行ったものも含めると15件になる。その中で、いちばん難点の少ない物件に決めて、何とか帰ってきた。

そんなわけで大変な旅だったが、今思い返すとなかなか勉強にもなり、面白かった。「仕事場の最寄り駅があるJR某線沿線で、東京よりに数駅行ったところ」という条件で探していたのだが、その近辺は一駅一駅移動するごとに町の雰囲気ががらっと変わることがわかり、四月からのホームタウンへの理解が深まった。

まず最初に物件探しの中心地と考え、四日間の逗留先にも決めたのは、新幹線の停車駅でもある某駅。交通の便がいいだろうし、それなりに開けてもいるだろうから、ということでの選択だった。その予測は間違ってはいなくて、着いてみるとスターバックスなんかもあるわりとにぎやかな町だった。夜の繁華街みたいなものもあって、日が暮れてからもにぎやかそうだった。

ところがその北隣にひとつ移動すると、そこから急に様子が変わって、田園地帯が広がり始める。駅舎からして、滋賀県の郷里を思い出させるような地方ローカル線の小さな駅になる。広々とした駅前のロータリーには、まさに「ベッドタウン」という朴訥で牧歌的な雰囲気が漂っている。南隣の駅とは明らかに異なり、夜は静かなのに違いない。

しかしながら、それでは先の新幹線駅から離れれば離れるほどどんどん田園化するかというとさにあらず。さらに北側にもうひとつ移動すると、今度は、伝統的な関東の下町を感じさせる、少し山の手の雰囲気の、落ち着いた町が現われるのである。駅の観光案内書でパンフレットをもらってきて読んでみると、明治期に養蚕業で栄えたことや、古くから街道の宿場町でもあったことが、文化資本の蓄積を促したようだ。

われわれ夫婦の家探しのスケジュールとしては、概ねこの三つの駅をひとつずつ南から北に移動するかたちをとった。しかしなかなか作業は難航した。

まずひとつめの新幹線駅。にぎやかで買い物なんかには便利でよいのだが、繁華街にごくありがちなこととして、栄えているだけに家賃の相場が高いのだ。したがって、家賃も手ごろで気に入った物件となると、駅から徒歩20分とか離れてしまう。そんなわけでここの物件は検討から外れた。駅の南には広大な河川敷もあって散歩にはよさそうだったので、これは当初残念だった。

次に、気を取り直して北隣の田園地帯。ここにもいくつか気になる物件はあったのだが、間取りがどうもしっくりこなかった。あるいは、間取りがよくても窓の外がすぐ隣のマンションで丸見え、とか、気になる部分があった。

ここまでの物件を見終わった時点で金曜日が終了。この時点でまだ次の駅を見ていなかったので、不透明な先行きにたいへん不安な気分のまま(ほしいおもちゃが売ってなかった子供のようにすねながら)眠りにつく。

そして三日目、消耗と焦燥にまみれたまま(大げさなようだが、今後の数年間をどう過ごすかということを左右する問題だと思うと、決しておざなりにはできないのだ)最後の駅までたどり着いたとき、その駅舎のたたずまい(東京駅と同じレンガ造りの瀟洒な駅舎)や、駅前を流れる小さな川の堤、それに沿って植えられた桜並木がわれわれ夫婦の心を捉えた。

この町の醸し出す落ち着きがとても気に入ったわれわれには、「今までのことはとりあえずちょっとおいといて、この駅で探そうか」という元気がふたたび出てきた。そしていくつか不動産屋さんをめぐるうち、ついに、どうにかこうにか納得できる物件を見つけたのである。

僕の数回の引越し経験から言って、家探しというものは必ずこの「はじめ意気揚々>途中がっくりだだ凹み>最後にようやく納得」という心理的カーブを経験するものだが、今回もその例に漏れなかったわけである。ここで土曜日終了。ここにいたってようやく僕らふたりは、安心して眠ることができた。前の晩との心理状態の差異に自分でも驚きながら、疲れがどっと出て、日も変わらないうちに眠りにつく。

残った日曜日は予め、「時間があったら東京観光」と決めていた。そんなわけで、なんとか勝負をつけてほっとしたわれわれ夫婦は、おのぼりさんらしく、今まで一度も行ったことのない「ヒルズ」に詣でてきた。確かに生粋の田舎ものではあるが、メガロポリス東京に全然行ったことがないわけではなく、六本木や赤坂や永田町のあたりは研究会やらで何度も行っているのだが(マイミクさんは江東区と世田谷区にもいらっしゃるし)、実は「ヒルズ」はまだなのである。

といっても、向かったのは六本木ではなくて、表参道の方。ぐるっとスロープを一周し「ふうん、こんな感じなんだ。僕らにちょうどいいものは売ってないなあ」「でも安藤忠雄にしてはいいじゃない、このぐるっと歩くっていう設計コンセプトがいいよ」などと偉そうなことをいいつつ帰ってくる。中ではウィンドウズ・ヴィスタの展示もやっていたのだがそれにはほとんど目もくれず、一方でジャン・ポール・エヴァンでわざわざ並んでまで(しかも奥さんにいたっては「日本だと高いのよね。パリで買えばこの半額くらいなんだから」といけすかないことを言いつつ)チョコとマカロンを買う。これは奥さんの友達へのおみやげ(マカロンは自宅用。さっき食べました。ねっとり濃厚です。フレーバーが独特の味なんで何かはぱっとわからない感じなんだけど、でもとてもおいしいです。ラデュレより僕はこっちの方が好みかな)。

そこからさらにおのぼりさん夫婦は目につくものに次から次へと「へええー」「へええー」といいつつ山手線で移動し、目白へ。「TITLE」というよく買う雑誌に載っていたパティスリー、エーグル・ドゥースが目的である。見開き2ページのショウ・ウインドウにずらっと並んだケーキの写真がとてもおいしそうだったし、駅からのアクセスもわかりやすそうだったのでここにした。実際に駅から歩いてみたが、全く迷わず着ける。着いてみると、下落合の垢抜けない町並みの中にぽつんとパリ風のパティスリーがあるという奇妙なたたずまいである。が、評判の店らしくてひっきりなしに客が訪れる。小さな店はいつも満員状態である。

イートインの席が空いていたので、僕はティラミス・オー・フィグ(いちじくのティラミス)、奥さんはカスレット(シュー生地の中にラム酒を効かせたカスタード・クリームとキャラメル風味のバナナ)というケーキを食す。どちらも洋酒が効いていて、大人のケーキという感じ。ケーキが苦手な僕もあっさり一個ぺろっと食べられる。そのせいか隣のカップルなんか二個ずつ食べていた。すごいなと思ったが、後で奥さんに聞くと「あの人たちも『TITLE』見てたね」とのことであったから、うちの奥さん並みのスイーツ好きなんだろう。おいしかったので焼き菓子なんかも買って帰る(ガレットとかマドレーヌ。こちらもとてもおいしかった)。

そんなこんなで、家探し自体はタフな作業だったが、なんとかけりをつけて最終日はのんきに東京観光ができた。奥さんは「東京のパティスリーにこれからいつでも来れるのね」と終始うれしそうだった。

たしかに、北関東のはずれとはいえ、各駅停車の普通でも一時間半、快速などをうまく使えば一時間ちょいで東京に出られるのだから、リアリティのない話ではない。今回たまたま山手線の車内で向かいに立ってたギャルたちは

「○○駅(泊まってたホテルのある駅)、行ったことあるけど、なんもねーよ。牛とかいるんだよ。隣の隣で牛飼ってて。『これ何?』って聞いたら『牛』だって。牛はわかってんだよ」(ほぼ原文)

などと抜かしていたが、実際、不動産屋さんの話だと、近辺の駅だと東京に通勤している人もふつうにいらっしゃる通勤圏のようなのである。たしかに、7時の電車に乗って8時半につくなら、全然ありだよね、と奥さんと話す。

思えば京都を離れるのは寂しいが(だって、京都には何でもあるから。これは何度くりかえして言ってもいいと思う。京都には何でもあるのだ)、これから夫婦ふたりで、東京遊びができると思うとなかなか楽しみだ。

そんなわけで、負けだったのか勝利だったのかわからない家探しは、平和のうちにおわったのだった。帰りの新幹線の車中で、奥さんが含蓄のあることを言ったので最後に記しておく。

僕「今回家探し難航したけど、僕達夫婦は決して人より”上”をめざしているわけじゃないよね」

奥さん「じゃなくて”斜め45度上”を目指しているのよ、いつも」

僕「そっか、だから、人並みに上に行こうとすると、1.414倍の距離を行かないといけないんだね」

奥さん「それは最短距離を行った場合でしょ。蛇行してるからもっとかかるわよ」

こういうときは、奥さんがとても賢く見えるのである。

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フロイディアン・トリップ

ジークムント・フロイトと言う人はかつて、「言い間違い」には個人の抑圧された意図や願望が表れる、と言った。これを英語で"freudian slip"(フロイト的失言)という。

例えば、最もわかりやすい例を挙げると、自分の伴侶のことを、浮気相手の名で呼んでしまう、というのがこれにあたる。あるいは、「家(独:Hause)」と言おうとして「下着(独:Hose)」と言ってしまうのもこの類だ。もっと身近な例で言うと、幼稚園や小学校にあがりたての子供が、「先生」と言おうとして「お母さん」と言ってしまうのもこの線で解釈できるだろう(他の認知心理学的な説明ももちろん可能だし、そちらの方が妥当性があるのだが)。

いきなりこんなことを書いたのは、実は僕には、いつも口に出すと間違えてしまう単語がいくつかあるのだ。はたしてそれはいったいなぜであるのか。そこにはフロイト的な抑圧が関係しているのか。

例えば、奥田瑛二さんという俳優がいるが、彼のことを口にするといつも「森末慎二」と言ってしまう。どちらも顔はいささかもったりした感じがあるけれど(失礼)、どちらも名前は「○二」であるけれど、正直赤の他人ではないか。ここにはいったいどんな理由があるのか。奥田瑛二的な重厚さを森末慎二的な軽妙さに置き換えることにどんな意味があるのか。

もうひとつ、僕がよく間違えてしまうのがワープロとフロッピーである。僕はしょっちゅう「ワープロ」と言おうとして「フロッピー」と言ってしまう。いまどきフロッピーなんて使わないではないか。売ってるのを探すのすら難しいではないか。ディズニーランドを「デズニーランド」、イベントを「エベント」と言ってしまうおっさんか。己の脳はいったいどうなっているのか。

それからもうひとつ、「家探し(いえさがし)」と言おうとする時、僕はいつも決まって「家捜し(やさがし)」と言ってしまう。…うーん、これはフロイト的失言として解釈できなくもなさそうではあるな。僕は実は他人の家を家捜ししたいというアブノーマルな願望を持っているのかもしれない。

ということで(長い枕)、明日から週末にかけて、北関東方面へ「家探し」に行ってまいります。今後数年間は住む家だけに、念を入れて探さなければ。最近ブログの更新が滞りがちだが、これでまた四日ほど滞ってしまいそうですね。

今日の動向:

平積みにしてあったレポートの山を採点し終わる。なんと151部。

今回由々しき事態だと受け止めたのは、インターネットの個人サイトやwikipediaからの盗用、というつもりはないが(逆言法)引用がおびただしい数で見られるということである。どこかの文章のまるまるコピペも少なくない。

誰も僕の学生は読んでないだろうけど、ここではっきり言っておく。そういうレポートは、ほとんど不可にした。

新任地でもこの点は徹底して指導するつもりである。wikipedia禁止、個人サイトからの引用禁止。引用するなら、権威&定評あるものからでなければ、レポートとはいえない。安逸な方法で単位さえもらえればよい、という態度は好ましくない(偉そう)。

とは言いながらも、よく書けているものも少なくなかったし、平常点(出席)もみんなよかったので、大半は単位が出た。

採点の途中で、夕食に出かける。明日から始まる旅に向けて精をつけるために、奥さんとネパール料理専門店「ヤク&イエティ」に行ってきた。バターナン(これは逸品です)やシシカバブ、カレーに舌鼓を打ちつつ、腹いっぱい食べる。

帰りにジュンク堂により、雑誌など買って帰ってくる。

追記:奥さんの友人は「それは今回の目玉ですね!」と言おうとして「今回のお目玉ですね!」と言い間違えたことがあります。それは、ちょっとの違いだけど、全然別のことですね。

うちの奥さんにもすてきないい間違いがあるのだけれど、口止めされているのでいえません。

追記②(1月29日追記):もうひとつ思い出した。「マドレーヌ」と言おうとするとき、いつも「マーマレード」といってしまう。なぜなのだろうか。

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紅葉の中のマインド・ゲームス(1)

この数日間の動向。

金曜日は一日中、秋晴れの気持ちいい一日が少しずつ過ぎ行くのを12階の窓から眺めつつ、わき目もふらず(矛盾した表現)論文仕事をしていた。奥さんが「ロンドン塔に幽閉された王子じゃないんだから、たまには外に出ないと身体に悪いわよ」というので、夕方4時半ごろ、ちょっと論文が一段落した隙に外に出かける。

しかし時すでに遅し。もう日は大分翳っていて、僕専用自転車「朝びらき丸(別名こぶりちゃん)」でいくら走っても国道沿いの高いマンションの影から抜け出せない。「汝光のあるうち光のうちを歩め」とはこのことか(違いますよ、念のため)。

仕方ないので、先日ラジオで聞いて以来気になっているビートルズの『ラヴ』("Sun King"のテープ逆回しを使った曲"Gnik Nus"が日本語表記だと「グンキ・ンサ」になってるのはしゃれが効いていて面白いですね。ふつうに読むと「グニック・ナス」だけど)を買いに行く。家からだと京都LOFTのHMVの方が、PARCOのTOWER RECORDSよりちょこっとだけ(ほんとにちょこっとだけど)近いのでそちらに。

試聴コーナーに行って驚いた。U2も、キング・クリムゾンも、オアシスも、ジャミロクワイもみんなベスト盤を出しているとは知らなかった。何か清算の時期に来ているのだろうか。オアシスとU2は以前もあったんじゃないかと思うしあんまり興味ないけど、ジャミロクワイは買ってもいいかもなあ、iPodで聴くともなしに聴くのにいいし(『スペース・カウボーイ』と『キャンド・ヒート』からは一曲ずつしか入ってないんですね)。

けれどもお小遣いは限られているので、『ラヴ』のみ、それも通常盤を買う。以来気に入って毎日聴いている。『イエロー・サブマリン・サウンドトラック』の時よりもリミックスの音感が好みだなあ。ピーター・コビンのもよかったけど、ちょっとハイファイ過ぎたかな。こっちのマーティン親子のテイストの方が、ちょっとベース・バスドラ出過ぎの曲もあるけど、ロック感というかボリューム感がある。それよりなにより、マッシュ・アップが面白い。「レディ・マドンナ」に「ヘイ・ブルドッグ」のピアノ・リフとか、そうきたかって感じで思わず興奮する。それから、『イエロー…』の時も(渋谷陽一さんか松村雄策さんが)言われてたけど、リンゴが基本的にはファンキーなドラマーだというのがよく分かる。初期の曲はたどたどしいけど、それはチャーリー・ワッツもいっしょだし。

ついでにLOFTをぶらぶらしていたら、家具売り場で「e.m.o.」というところのフォールディング・テーブルを見つける。いわゆる北欧風で、リヴィングのコンセプトにも合うし、サイズ的にもいい感じ。そのうえ安い。うちにはソファー前にテーブルがないのでずっと探していた。奥さんに写メール、同意を得て購入する。

いやあ、よかった。ソファー前のテーブル、転居以来ずっと欲しかったけど、置きっぱなしだと部屋が狭く感じるし、折りたたみではいいデザインのがないしってことで、夫婦して買いあぐねていたのだった。そのせいで、これまでは奥さんの友達なんかが来たときにもくつろいでもらう場所がなくて、申し訳なかったんだけど、これでようやく安心。これは日曜日から導入。食後のフルーツやお茶なんかに最適です。ホット・カーペットでお鍋もできます(>関係者諸氏)。

明けて土曜日は大阪某所で講義。起きた時から一日肩が凝っているという辛い一日だった。まだ少し風邪気味だったのかも。しかしそんなことは気にせず、仕事終わりに奥さんと四条烏丸で待ち合わせ。書店で『ラヴ』の特集がある「レコード・コレクターズ」と、映画特集の「BRUTUS」を買った後、食事へ。ところが、錦魚亭というお気に入りの京風おばんざいとお魚の店(魚力さんという錦市場の魚屋さんの経営)に行ってごはん、と思っていたが、行楽シーズンの週末ということで満席。そりゃそうだ。予約しない僕がバカでした。仕方ないので家の近くの別の店へ。特筆すべきことのないお店でした。次回リベンジを誓う。

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