銀のボードでどこまでも逃避

来る日曜は学会発表である。と同時に、都並の33歳の誕生日である。奇しくもその学会も今年度33回大会。僕と同い年というわけで、記念すべき発表といえよう。

とはいいつつもこの学会、基本的には6月の第一週末開催、という原則になっており、その原則を守る限り、6年に1回、誕生日と重なるわけである。現に2001年にもそんなことがあり、そこでも僕は発表をしたのを覚えている。ついでにいえばそのときの発表と6年越しでつながっている発表をするわけだが、月日の経つ早さに比べてこの己の研究の遅々とした進み具合はいかがなものか。

などといいつつ、発表準備が煮詰まってきたので現実逃避と授業準備を兼ねつつIMDbを見ていたら、『ファンタスティック・フォー』の続編が作られているではないか(公式サイトはこちら)。

この映画、実は観ていないし、ジェシカ・アルバさんにもさして興味はないのだが、これでひとつこれで謎が解けたところが。副題が「シルヴァー・サーファーの来襲」(邦題は「銀河の危機」だそうです)となっていて、以前からマーヴェル・コミックスのヒーローで「いったいこいつはなんだろうな、全身銀色のタイツ姿でサーファーって」と思っていたのが「ファンタスティック・フォー」がらみの方だったとわかったのである。

しかし調べてみるとこのお方、なかなかとんでもない経歴の持ち主でいらっしゃった。こちらのサイトに詳しいのだが、なんと宇宙人ではないか。星を食べちゃうというスケールの大きな宇宙魔人ギャラクタス(なかなかこちらもありえないデザイン)の魔の手から地球を守るべく、惑星ゼン=ラからやってきたお方だというではないか。おおお、おぬし、まさにウルトラマン級。

それなのにサーファーであるというところが、日本人から見るとどうしようもなく違和感がある。しかも全身銀色で何の意匠もないつるっつるのデザインというところもなかなか首肯しかねる。異文化理解は難しいなあ。

でもこれって、立場を変えてみれば、ガンダムが銃でなく(銃も使っているけどさ)刀を使っているということに対して、外国人が覚える違和感に似ているのかもしれない。でもこちらについては、同じ文化的集団に属している僕らはさほど違和感を感じていないように思うから、それほど文化は個人の中に深く根差しているものだということですね。

などといいつつ、発表の準備から逃避しているのだった。

追記:ちなみにマイティー・ソー(Thor)は北欧神話のトールだったんですね。

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噂の彼女/餃子/成城へ行く

一週間にたった三回の更新がなかなか難しい。ともあれここ数日の動向。

職場と家を往復するJR線の中で、いっときニュースで有名になった(元)高崎市在住のイラン人一家の長女、マリアムさんを見た。彼女はたった一人で東京方面の電車に揺られていた。例の彫りの深いまなざしは何を見るでもなく虚空に向けられていた。一瞬でわかるくらいものすごく孤独そうだった。個人の中にニュースが凝縮されているのを目の当たりにした感じがした。

19日は「アメトーーク」の「ドラえもん芸人」を見つつ、ひみつ道具イントロクイズで一位のよゐこ有野くんを超える4点をたたき出してしまい、奥さんに驚かれる。いや、「ほんやくコンニャク」の回で古代人がしゃべる「キリカモ!キリ、カモネム!」というせりふまでまるまる覚えていたのには自分でも驚いた。

20日は初任給の振込みがあった。額は頼りないが長いこと素浪人生活をしていた身にとっては宮仕えの感慨ひとしおである。

だから、というわけではないが、この日は奥さんが手作りの餃子を焼いてくれることになっていた。しかしながら懸念もあった。というのは、奥さんの実家は「餃子なんてほとんど食べたことない」というとってもノーブルな一家なのである。そういう家庭の出身の彼女が餃子を焼く、というのだから正直さほど期待してなかったのだが、これがなかなかどうして、とってもおいしいのであった。というか、初月給の日の餃子を僕は決して忘れないだろう、というくらいの傑作であった。おいしかったので画像をはっつけておく。

Vfsh0152 土曜日は同じ大学の同僚の先生からお誘いを受けたので成城大学まで研究会に出かけてきた。北関東の地からは電車を乗り継いで2時間。近いような遠いような。

研究会は2時間総会があって、2時間、古稀を迎えられた先生の講演。内容はとっても濃かったのだが、皆さん思い思いに白河夜船を漕いでいらっしゃった。

その後懇親会があり、成城石井(本家)で購入されたハムやチーズ、サンドイッチをつまみつつ、ワインを飲む。浅間山荘事件の時現場で48時間カメラを構えていたというTV局出身のセンセイと知り合いになり、話が弾む。ご自身のバブル時代の散財の話とか、某劇団の某演出家がいかにえげつないお金の稼ぎ方をしているかとか、とっても話が面白いのであった。

8時ごろ散会し、そこからえっちらおっちらまた2時間かけて帰ってくる。電車は座れるので楽なのだが、やっぱり2時間は長いよ。お酒は醒めるし、いったん居眠りして目が覚めてもまだ道のり半ば。カップルだったらけんかして仲直りするくらいの時間はたっぷりあるよ。

帰ってきて、奥さんが夜食に納豆と煮びたしを出してくれる。それを食べて、今ブログを書いている。これからお風呂に入ってきます。

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ハロウィーンと中年の危機

今日は大阪で午後から授業(普通の大学ではありません)。大学ではないのでベージュのカットソーに紺のジャケット、グレーのパンツなどというラフなかっこうでいく。

授業で心理学関係の英語のテクストを読む。来週までの課題はエリクソンの発達理論。心理学が専門ではないので、ゲシュタルトが専門の校長に軽くレクチャーしてもらう。いわゆる「中年の危機」なんて言葉がエリクソンから来ていること、孔子の「四十にして惑わず」との比較でよく語られること、などを教わる。

中年の危機、とは、冗談じゃなくて最近切実だよなあ、と思う。このごろ、結婚、転居、常勤職の内定など人生の転機が続き、なんとなく『(地球)幼年期の終わり』ではないけど『人生夏休みの終わり』かと思うことしばしば。人生の行く手がだいぶ予想がついてきたのはいいことだけど、小さくまとまる可能性もあるなと思うと簡素な思いにとらわれる。もっと今後ひっくり返していかなければ、とも思う(だからといってセーラームーンのかっこうをして下半身露出しようとは思わないけれど)。

そんなテンションの上がらない気分のまま、iPodでREMを聴きながら家に帰ると、こちらはまだ20代の奥さんがクッキーを焼いていた。バターのいい香りが玄関まで充満している。明日奥さんの友人がうちに来るので、お茶菓子を焼いていたらしい。さっそく焼きたてを一枚もらって試食する。とってもおいしいのでかなり癒される。しかしほめているうちに「これからプリンも作ろうかな」と言い出したのでさりげなく牽制する。

夕食はザウアークラウトと豚スペアリブの煮込み、茹でたブロッコリー。それに阪神百貨店で買ってきたPAULのパンと丹波ワイン。またも美食で尿酸値が心配。明日もバスティーユで奥さんの友人連とランチの予定。まずいなあ。

それから、勢いというか付き合いというか、またしても『踊る』シリーズの『弁護士 灰島秀樹』を見てしまう。「けっこう面白いよ」と水仕事をしている奥さんに話しかけたら「前もそういってた」とのこと。確かに、手放しで傑作とはいえないけど、結構面白い。

さらにそこから『宮廷女官 チャングムの誓い』という悪循環のコース。見終わって、お風呂に入って、現在に至る。

ところで、タイトルのハロウィーンだけど、Yahoo!のニュースで、グローバル化で日本に広まる、と書いてあった。確かに最近、あちこちでグッズを見かけるし、電車の中で小ぶりなかぼちゃを仔細に吟味しているお母さんも目撃したけど、本当だろうか。

そういえば以前多摩NTに行った時、ハロウィーンのお祭りがあるけど、子供が隣近所を回るという重要な要素が欠けている、みたいなことを聞いたことがある。確かに、昨今隣は何をする人ぞ、で怖くて訪ねられないものなあ。なんだか形骸化しつつ日本流で定着しているのだろうか。

ハロウィーンといえば、9月の半ばに新婚旅行でフランスに行った時、現地のニュースで「日本のディズニーランドは早くもハロウィーンの装いです」というニュースを見たことを思い出す。女性キャスターが「来週あたりクリスマスをやるんでしょうか」と言って茶化していた。最近商戦における季節感もどんどん無くなってるなあと思う。コンビニのビールはもう冬季限定品が並んでいるし、奥さんのファッション雑誌なんか「来年の春はこれが来る!」みたいな特集を組んでいた。そのうち「来年の秋ファッションはこれ!」とか一年くらい先取りしちゃうんじゃないだろうか。なんだかなあ。

と、やたら小うるさく理屈っぽくなっているのも中年化の傾向かも知れない。もとから理屈っぽいけど。

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お祝い事など

えー、まずは、北海道日本ハムファイターズの皆さん、おめでとうございます。正直言って中日ドラゴンズでは新鮮さも話題も何にもないので、日ハムでよかったですね。

それから、山崎正和先生、黒川紀章先生、吉田秀和先生、朝倉摂先生もおめでとうございます。直接存じ上げているのはお一人ですが、文化関係で常々ご活躍されている方だけに、心からお祝い申し上げます。

そしてアル・パチーノさんもAFI功労賞だそうでおめでとうございます。彼は『ゴッド・ファーザー』のイメージが強いですが、『リチャードを探して』『ヴェニスの商人』などのシェイクスピア劇の映画化など、とってもインテレクチュアルな作品を手がけていますし、演技は文句なしにうまいですし、本当にめでたいことです。よかったよかった。

ハーレイ・ジョエル・オスメントくんはちょっとマコーレー・カルキンくんの二の轍を踏みかけていますねえ。剣呑剣呑。

以下雑事など。

昨日は結局カヌレは売り切れ。しかたないのでアンデルセンのパンなど買って帰る。西利の白菜の浅漬けも買ってみた。

夜はこの浅漬けに鮭のムニエル(ジャガイモとにんじん、しめじのバター・ソテー添え)、ほうれん草の胡麻和え、かぼちゃの煮っ転がし、たまねぎの味噌汁に森嘉の冷奴。デザートは新高梨。

正直言って、森嘉の豆腐はめちゃくちゃうまいです。今まで食べた豆腐はなんだったのってくらい、豆の味が生きています。これに比べれば男前の人なんてぜんっぜん大したことないです。

朝はブリー・チーズとペッパー・シンケンのサンドイッチ(奥さん手作り)、目玉焼き、トマト、ウインナー、ヨーグルトにフランス旅行で買ってきたプロヴァンのバラのジャムをかけて。それとコーヒー。こんな食事を続けていていいものだろうか。あまりに贅沢なくらしで罪悪感すら感じます。

今日は一日論文仕事。それから映画のダビングなどして過ごす。昼頃でかけて、コンビニで夫婦してはまっているクリスタル・ガイザーのガス入りミネラル・ウォーター(これのライムはおいしいけどあんまり売ってないですね)やらマウント・レーニアの新作カフェラッテやらを買ってきた。奥さんはスターバックス・ディスカバリーと勘違いしたけど、残念、違います。

奥さんは今は森嘉の豆腐で湯豆腐製作中。日増しに涼しくなってきて、暖かいごはんが美味しい季節になってきたなあ。

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フィクションとノンフィクションの境界①

この週末の動向。

土曜日は大阪の仕事先で授業。学校長らといつものように雑談をしているうちに、インターネットで変なニュースを発見。一見ふつうの傷害・失踪事件なのだが、細部がおかしい。凶器が日本刀なのはまだしも、全治12日ってちょっと少なすぎる気がするし、それに比して山中での逃亡生活が1年7ヶ月というのは長すぎる気がする。それに、隠れていた山が事件当時の住居から直線距離で200mという距離は短すぎるし、標高が600mというのも低すぎる。なんだか数字が全部おかしいのだ。

日本刀で長男を切りつけ、全治1ヶ月の重傷を負わせる。その後、自宅から300km離れた標高1000mの山中で3ヶ月耐乏生活をした後に逮捕される。

というニュースだったら得心がいくと思う。数字がおかしいせいでなんだかマンガっぽい。昨今、フィクションとノンフィクションの境界があいまいな事件が多いのではないか。

帰宅後、奥さんにリクエストして作ってもらったナポリタンを腹いっぱい食べる。奥さんはサラダも作ってくれたので、それも食べる。

食後、なんとなく弾みで観てしまっている『踊る大捜査線』シリーズの『容疑者 室井慎次』(奥さんはふつうに『容疑者 室井滋』と言っていた。それでは緊迫感がなさ過ぎるだろう)を観る。『踊る』の本編の映画は、多すぎる登場人物をいかそうとしてか、冗長でテンポも悪くて映画としてはもうひとつだと思うけれど、この番外編のシリーズはそこそこ面白い。『真下正義』はユースケ・サンタマリアの意外な化け具合と、近未来クライムアクション的な状況が楽しめたし、こっちのジョニーの作品も権力と人脈の錯綜する感じが込み入っていて楽しい。

その後、これも遅まきながらはまっている『チャングムの誓い』まで観てしまい、ソファーから動けない夜だった(チェ女官長とミン尚宮のファンです)。

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